GRID

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五感を揺さぶる色彩

トスカーナタナリーの聖地、サンタクローチェのコンチュリア・ロ・スティヴァレから届けられたレザーを作業台にひろげた時。感覚が揺さぶられる様な情熱的な色彩と、鼻腔をくすぐる爽やかな香りに私たちはすっかり魅了されていました。 それは、まるで元来革の持つ原始的な魅惑を見せつけられている様でした。 グリッドは、この美しいレザーを余すところなく堪能するために作られたプロダクトと言っても過言ではありません。

 

静謐さの中に秘めたる野生

グリッドのパターンデザインは複雑ですが、靴そのものの佇まいに派手さはなく、至って上品な印象です。一方で強い存在感を誇るアッパーは 「ロンバルディア・タン」の持つ奥深い艶と荒々しい肌の表情によって、ワイルドな魅力を放っています。この清楚なパターンと野生的な素材の組み合わせによって、グリッドは絶妙なスタイリングバランスに仕上がっているのです。

 

古代トスカーナのレシピ

魅惑の革ロンバルディア・タンは、なぜ人を惹き付けるのでしょうか?1958年に創業したロ・スティヴァレは古代トスカーナの伝統的な鞣技法を継承し、ミモザやチェスナット、ケブラコを原料とする100%樹木タンニン鞣を専門的に行っている数少ないタナリーの1つです。その中でも「古代のレシピ」を伝統的に継承する職人は、マスタータナーと称され卓越した技術を有しています。ロ・スティヴァレの革は、植物タンニン鞣にありがちな色の濁りが少なく、その発色はまさに鮮烈と言えます。丹念な作業を惜しまず丁寧に仕上げられた作品からは、外連味のない真の高級感を感じ取ることができます。

 

 

感性を刺激する芳香

私たちがレザーの香りを日々楽しんでいると言うと、少しユニークなブランドだと思われてしまうかもしれません。ファクトリーでの作業中にふと芳しい樹木タンニンレザーの香りが漂うと、とても素敵な気分になります。製造時に100%植物由来の仕上げを行っているロンバルディア・タンは、革本来の華やかで贅沢な香りを発しています。 しかし残念ながら、革本来の香りを持つプロダクトは世の中から徐々に失われつつあります。世界で消費されているレザー全体の大部分を占める「クロム鞣」の革からは、革本来の香りを感じ取ることは出来ないからです。レザーの香りを楽しむという希少な体験は、大自然への敬意を怠らないトスカーナの技術力からなるギフトに他なりません。

 

 

本質を心ゆくまで楽しむ

うっすらと軽いバーニッシュをかけることによって、ヒール&トゥに穏やかなコントラストを与え、アッパーは最終的に自然由来のニュートラルクリームによって仕上げられています。紐を締めると、植物タンニンレザーならではの独特な軋み感とともに、爪先からアーチにかけて贅沢なフィット感に包まれます。履き口から垣間見えるライニングレザーのモーターハイド・ヴィンテージは、足に快適なクッション性を伝えるだけでなく、アッパーのエイジングとともに艶のあるアーモンド色に経年変化していきます。また、くるぶしの下を大きくカールしたトップラインは履き心地に軽快さを演出し、様々なライフスタイルに溶け込むレザースニーカーとして、もちろん贅沢なドライビングシューズとしても気兼ねなく使用することが可能です。 そして、忘れてはならないのは、植物タンニン鞣の革はあなたの経験の痕跡を確実に吸収していくということです。タンニンの色は、紫外線や時間の経過とともに革に温かみのある色調を与え、使用を繰り返す度に奥行きのある色合いに変化していきます。 もちろん、1足として同じ表情の革はありません。強い太陽の光を浴びた小さな傷や皺、1つ1つがあなたの足跡の証明となってグリッドは深い情緒を纏ってゆくのです。